抗VEGF薬硝子体注射とは?

VEGFとは何ですか?
VEGFは血管内皮細胞増殖因子の略です。VEGFは体の中いろんな部分で働き、
脈管形成や血管新生に作用します。癌ができると体から栄養を奪うために、
通常の血管から血管を巻き込んで癌の中に引き入れます。
これを抑え、癌に栄養を送らないように作られた薬が抗VEGF薬です。
抗VEGF薬を目の中の硝子体に入れると、VEGFを抑えるために、新生血管を抑制したり、
血管からの水漏れを2,3ヵ月抑えたりできます。
抗癌剤の副産物として作られたのが抗VEGF薬なのです。
抗VEGF薬は加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症、黄斑浮腫、脈絡膜新生血管などに使います。
加齢黄斑変性症は脈絡膜からの新生血管が出血や浮腫をおこすので、
新生血管を抑制するために抗VEGF薬を定期的に使っていきます。
網膜静脈閉塞症による浮腫では、抗VEGF薬で一時的に浮腫を抑えつつ出血が引くのを
待ち、VEGFの産生原因である網膜の無血管野をレーザーで潰します。
糖尿病網膜症でも黄斑浮腫や新生血管を一時的に抑えるために使うこともあります。
その他、強度近視に伴う脈絡膜新生血管などにも用います。
抗VEGF硝子体注射で気をつけること
1)薬価が高い!!!保険が1割の人で2万くらい、3割の人で6万円位一回の注射でかかります。
2)確率は低いが感染を起こすと失明の可能性があります。そのため注射は手術室で行いますし、術前、術後の抗生剤点眼は3日間しっかりしてください。
3)注射の日と翌日の診察時までは眼帯します。運転は控えてください。
4)抗VEGF薬の効果は2,3ヵ月程度しかありません。
5)注射をしていても、硝子体出血を突然起こす事が稀にあります。