ぶどう膜炎、虹彩炎ってなに?
最近虹彩炎の患者さんによく遭遇します。
いつも虹彩炎の説明を患者さんにするときに、一体なんなんだというリアクションをいただくので説明してみます。
まず虹彩の場所を説明すると、黒目の中にある茶目の部分になります。とても血管が豊富な組織なので血管周囲に起こる炎症やリンパ管の破綻が起こるとよく反応し、炎症が起こります。
炎症が起こると目の中の水が濁るので、グラスの中の水分にミルクを入れたみたいに霞んで見えます。また眩しい、痛いとも訴えられます。
炎症がなぜ起こるのか?は色々あるのですが、①自己免疫疾患由来②ウィルス感染由来③細菌感染由来④糖尿病などの血管炎症由来 が考えられます。
一番多いのは①自己免疫疾患由来 が多いのだと思います。
治療としては炎症に対してはステロイド点眼が基本になり、それでダメなら結膜下注射や目の奥に注射するテノン嚢注射を追加します。
それでも無理ならステロイド内服をしてもらったりすることもあります。
また眼圧が高くなる続発緑内障が起きた際には緑内障点眼や緑内障手術を追加する場合もあります。
硝子体混濁が多い場合には硝子体手術をする時もあります。
ぶどう膜炎は増悪、寛解を繰り返す病気(良くなったと思っても、再発する可能性がある)なので、定期的にみていく必要があリます。
下の図も虹彩炎の治療前(下)、1週間後(上)ですが、ステロイド点眼、注射でだいぶ自覚症状、炎症の膜、細胞が低下しました。この図の白や橙の細胞が炎症を表す所見です。わかって頂けるでしょうか?