白内障

令和3年の多焦点レンズのトレンド、連続焦点型レンズ シナジー

多焦点レンズはもともと遠方と近方の2箇所が見える2焦点レンズが主流でした。
数年前にEDOF(焦点深度拡張型)レンズ(シンフォニー)が出てきて、遠方から60センチまでがスムーズに見える上で、コントラスト感度低下(見え方の鮮やかさの低下)が少なく、
患者さんからのクレームの少なさが受けて、幅広く使ってきました。
令和3年のトピックスは従来のEDOFレンズに2焦点レンズの近方を組み合わせることで、遠方から40cmまで見える連続焦点型レンズ(シナジー)が出てきました。
携帯や文庫本を長時間メガネなしで見るのはシンフォニーでは難しかったのですが、シナジーでは見えるそうです。
ただシンフォニーよりシナジーの方がコントラスト感度の低下は起こるはずで、ハロ、グレアもきついと思います。
結論
遠方中間重視、コントラスト感度低下が不安、無難が良い、運転もする、いざとなれば老眼鏡します、はシンフォニー
遠方から近方まで全て重視、見え方の幅重視、メガネが絶対いや、運転はあまりしない、携帯、化粧などもメガネなしでしたい、などは シナジー、もしくはパンオクティクス
が令和3年の多焦点レンズの選び方かもしれません。
手術代とは別にレンズ代は片眼で20〜30万しますが、一生に一度の選択なので、メガネなしである程度生活したい方には価値があるかもしれません。
インプラント一本に30万出すのなら多焦点レンズに出すのは価値があるかもですね。

左が単焦点レンズ遠方合わせ、右が連続焦点型のイメージです。スマホの見え方、パソコンの見え方に注目してください。
ただ高齢の方、目が病気の方、瞳孔径が小さい方、神経質な方(コップの水が8割あるのに、残り2割が気になる方)、ドライアイのきつい方などはあまりお勧めしません。