白内障について(京都新聞2015.12.21掲載)
白内障について(京都新聞掲載版)
Q,白内障とは?
A,目をカメラの構造に例えると、レンズに該当する部分を水晶体といいます。白内障は水晶体がタンパク質の変性などにより濁ってくる現象です。一般的には加齢により60歳ごろに発症します。まれに先天性のものや、アトピーや外傷により20歳台に発症したりすることがあります。
Q、白内障の症状は?
A、白内障の症状の代表格を4つあげます。
1、かすんで見える(向こうからきた人の顔がわかりづらい、運転時標識がわかりづらい)
2、まぶしい(日中まぶしい、夜間運転時にヘッドライトがまぶしい)
3、二重、三重に見える(細かい字が判別しにくい、月が何重にも見える)
4、近視が進行し、手元にピントが合ってくる。
Q,白内障の検査は?
A,まず視力検査でどの程度視力が低下しているのか診ます。次に顕微鏡で水晶体の混濁の程度を観察し、視力や症状と合っているのかを確認します。他、眼圧や眼底検査で他の病気がないかをチェックしていきます。視力検査や水晶体の混濁の程度、症状の訴え方などを総合的に判断し手術をするかどうか判断していきます。
Q、白内障の治療について
A,進行を抑えるために白内障の点眼薬をだすことがありますが、効果は限定的です。見え方が生活に不自由になってきたら白内障手術を考えます。このタイミングが大事です。早すぎてもあまり回復しないですし、遅すぎても手術がしにくくなります。果物の食べごろと同じです。手術は水晶体の濁りを取り除き、代わりに眼内レンズを入れます。
昔に比べると痛みも少なく、短時間で手術は終わります。日帰りで十分な手術です。一見簡単な手術と思われがちですが、危険性がゼロでないことはわかってください。また、主治医の予測する回復度合いと自分の期待する手術後の見え方が一致しているのかを含めて、主治医とよく相談し納得してから手術を受けてください。それが白内障手術を受ける上で大事なことだと考えています。