白内障の術後、謎の隅角に新生血管、前房出血に遭遇
先日、40代女性が片眼のアトピー性のような白内障で来院され、白内障手術をしました。
術前視力0.1が1.2まで回復し喜んでいただいたのですが、術後一か月後に前房炎症が再発しました。
眼圧も25まで上昇していました。
ぶどう膜炎?遅発性眼内炎?と思って、隅角をみたところ2象限に隅角新生血管と前房出血をみとめました。
その写真が次の通りです。網膜に異常がないので、血管新生緑内障ではないようです。
さて何でしょう?
答えを京都府立医科大学森先生に聞いてみました。
”若年にも関わらず片眼性の成熟白内障であったのは、以前から慢性のぶどう膜炎が
存在していたのでしょうか。眼底に虚血がなくとも慢性ぶどう膜炎に前房出血や隅角
の新生血管を合併する疾患としてはUGH症候群(uveitis-glaucoma-hyphema)や
Fuchs heterochromic iritisなどが知られています。””
と普通の教科書には載っていない疾患でした。ステロイド点眼で様子見たところ、一週間後には隅角新生血管は退縮し、前房出血、眼圧上昇も収まり、患者さんにも喜んで頂けました。
6月はぶどう膜炎によく遭遇します。毎日日々勉強です!!