角膜

真菌性角膜潰瘍に注意!木の枝で目を突いたは要注意!!

3日前に草刈りをしていて木の枝が目に当たったと受診された患者さんがいました。最初は全然痛みもなかったそうです。それが昨日から痛くなり、見えにくくなってきたそうです。診察してみると、最初の写真のような角膜所見でした。毛羽立ちがあり、角膜所見の割に毛様充血が少なく、痛みも少ない印象です。fluo染色すると次のように染色されました。

木の枝、毛羽立ち、痛みと毛様充血が少ない、発症がゆっくりなどから真菌(カビ)による角膜炎も考えました。僕ら眼科医にもこれが細菌感染なのか、真菌感染なのか判断は非常にわかりづらいのです。真菌(カビ)の場合は通常の抗生剤が効果を全く発揮しません。お風呂場でもカビはしつこくありますよね。真菌感染は診断をつけるのが非常に難しいし、治療にも難渋する疾患なのです。角膜専門の先生に相談したところ、明日見て悪化なら大学へ紹介してねと言われました。

その翌日の所見です。

1日にして角膜浮腫、上皮びらん(緑の染色部位)も増えています。早速角膜疾患のメッカでもある母校、京都府立医大へ送り、角膜を擦過し(削って)顕微鏡で調べると、フザリウムという真菌が出てきて抗真菌薬による治療を開始してもらえました。

タイムロスなくいい治療ができて、良かったです。いつも助けていただいている大学の先生や、素直に京都府立医大まで行ってくれた患者さんにも感謝です!