緑内障発作をおこしかけている瞬間を見た!
勤務医だった20年間、緑内障発作をおこした後の処置や手術はたくさんしてきましたが、緑内障発作をおこしかけている瞬間を見ることがありませんでした。ずっと起こす瞬間ってどんなものなのか見たかったのですが、今回おそらくこれかとおもう瞬間をみました。
緑内障発作をキッチンのシンクに例えると、水道の排水溝がもともと狭いシンクで排水溝が何かの拍子にふとつまってしまい、逆流をおこして水浸しで困った!という状況です。水道業者さんは排水溝が詰まる瞬間は見ない。詰まった後しか見ないわけです。
今回の方はもともと閉塞隅角緑内障の診断がついている方で、隅角狭いし、眼圧も点眼しても高め、白内障も進行しているので、そろそろ白内障手術して、隅角を広げましょう、線維柱帯も切って眼圧も下げましょうと手術申し込みをした一週間前の写真がこれです。(下水管の流れが悪くなってきて、下水管工事そろそろ必要ですね!)
注目点は一枚目の写真の真ん中の普段の瞳孔の大きさです。(眼圧は18)2枚目は隅角が狭い、水晶体と虹彩のスペースなさそうの写真(下水管悪化の証拠写真)です。一週間後に術前検査に来ていただくと
一枚目写真の瞳孔より広がっており(真ん中の円形の瞳孔が一枚目より広がっている)、眼圧も38まで上昇、虹彩と白内障がくっついているので、光を当てても虹彩が小さくならない、などがおきています。でも無症状でした。これくらいの発作なら無症状なんだ!緑内障発作は数時間かけておこるんだとわかりました。この後外来後に白内障手術してこんな瞳孔になっています。(下水管詰まっている瞬間ってこんな風に詰まるんだ!下水管つまってもすぐには困らないんだ!あふれかえるのには数時間かかるんだ!初めて見たわ!よし直そう!)
虹彩とレンズにあたる縦の光の段差(房水のながれるスペース)が開いたわけです。眼圧も緑内障点眼なしに10台前半に落ち着きました。(よしよし、直ってるね!白内障もよくなったし喜んでくれた!)
家政婦はみた!感じです。(古いか、、、)