角膜移植眼の白内障手術について考察、感想
角膜移植後の白内障手術について
先日、角膜移植後の白内障手術をする機会がありました。
角膜移植後の白内障手術する機会などなかなかないので、手術する際の注意点を先輩に聞いてみました。
- 角膜移植眼は角膜内皮細胞がすくない事がやはり多いです。そのため角膜内皮細胞が500を下回ると角膜が濁ってしまいます。そのため角膜内皮に気をつけて白内障手術をしましょう。
- 近視気味に設定値をしましょう。トポグラフィーやケラトを使って予測値を出したうえでさらに近視になりそうな予測値に設定します。
- チン氏帯が弱いです。
というご教示をいただきました。実際手術してみて思ったことは、
①角膜移植片なので角膜内皮細胞保護は重要、今回の手術での角膜内皮細胞減少はあまりなかった。
②Barettという計算式を使うと狙った近視の設定値通りになった。
③チン氏帯が確かに弱く、手術時には水圧で水晶体がかなり奥にある感じ(網膜側に移動した状態)で手術してました。
④それと移植片の外側は角膜が濁ったままなのでみにくいです。虹彩癒着をはがす、CCCをする際には、周辺部硝子体手術をする要領で、眼球を傾けながら手術をする必要があると思いました。
手術前、術後の写真です。縦に光が当たっている部分が濁りがなくなりましたね。角膜キレイです!水晶体も綺麗になりました!
翌日患者さんは明るくなったとかなり喜んでいただいたので、よかったです。先輩にも感謝です。