近視抑制の最近の考え方
近視の進行抑制について。
最近、小学生に対する近視抑制について眼科医の間でも考えが変化してきています。
眼軸長(目の大きさ)が成長に伴い大きくなると、ピントの合う位置が網膜の手前にピントがずれてきて
それを合わせるためにはメガネが必要になります。
そのため小学生一年生の頃にはメガネをかけている子は少ないが、中学生の頃には半分くらいの子がメガネ
が必要になります。
これはある意味仕方のない話だと今までは考えてきました。
これに一石を投じたのが、シンガポールで行われた国家レベルでの近視抑制疫学調査です。
この疫学調査で分かったことが以下のことです。
⑴日光を週に10時間浴びる子は近視が進行しにくい
⑵低濃度アトロピン(マイオピン)という調節麻痺剤を点眼すると、平均すると近視の進行が50%遅くなる。
それと別にオルソケラトロジー、EDOFコンタクトレンズを併用するとさらに効果が増す。
と言う研究成果が出ています。
日本でもATOM-J研究という近視抑制の治験が進んでいます。
もう少しで結果も出てくるはずです。
現在は日本ではまだ保険診療では認められていないので、認められるのを待っている状況です。
まずできるのは小学生の頃には⑴日光を毎日2時間浴びる、⑵近眼のメガネをしっかり合わせ続ける
⑶長時間の手元の作業を小学生低中学年は避ける、が現実的にできることです。
その上で低濃度アトロピン点眼、オルソケラトロジー、EDOFコンタクトレンズなど興味ある方はご相談ください。