ぶどう膜炎 網膜

黄斑上膜とは?手術について考察

最近黄斑上膜の手術が続いているので、手術の適応、術後の期待値、時間などについてお話ししたいと思います。

黄斑上膜はなぜ起こるの?

硝子体という目の中のゼリーが網膜面と接触しており、そこが一部外れずに残存したり、炎症でそこで収縮したりして

網膜面を引っ張る膜になることで起こります。原因不明で起こる場合もありますが、網膜裂孔やぶどう膜炎、網膜静脈分枝閉塞症

、糖尿病網膜症などが原因で起こる場合があります。何らかの炎症が起点に硝子体膜の収縮が起こると思っています。

硝子体膜の収縮は網膜をひっぱり、カメラのフィルムにあたる網膜がクシュクシュと収縮を起こすと歪んで見えるようになります。

放置しても失明までは起こさないのですが、徐々に視力低下、歪みを起こす場合もあります。

黄斑上膜の手術は白内障手術とあわせて、だいたい40分ぐらいで日帰り手術で行っています。

黄斑上膜は歪んで見える、視力低下などが症状ですが、

手術後の見え方は症状が軽いうちに手術をすると予後はいいです。

放置して視力が落ちてから手術をしても、ゆがみが多少改善するものの満足度は低いです。

そのため1)歪みがひどくなる、2)視力低下が始まったら、3)OCTで悪化が見られたら手術をするのがいいと思っています。

ただ歪みはましになるものの、完治はしないのを十分理解してもらってから手術は受けてもらいます。

手術前、後の写真を連続3症例載せます。左手術前、右手術後です。術後網膜が平坦化しているのがわかりますか?


手術前 黄斑上膜が網膜全体を持ち上げてます。        術後、黄斑上膜はきれいにとれ、網膜が平坦になってます。

手術前 網膜表面がガタガタしています。            手術後 表面のガタガタが伸びています。

術前 黄斑上膜がブリッジ上に網膜をけん引しています。   術翌日 ブリッジ上の黄斑上膜がとれています。

まとめ、黄斑上膜は歪みを感じたり、視力低下が始まったら、術後歪みがましになるものの完治はしないを納得して

硝子体手術を早めに受けると予後はまし。ただ完治はしないのであんまり喜んではもらえない手術です。