歪みや中心部が暗く見えるのは、重篤な視力低下の予兆です。硝子体注射に対応できる当クリニックへご相談ください。

加齢性黄斑変性症とは?

加齢性黄斑変性症イメージ

私たちはものを見るときに、目の中に入ってきた光を網膜(カメラでいうフィルムの役割を果たす組織)で刺激として受け取り、脳に伝えます。その網膜の中心部分が黄斑です。黄斑の中心は中心窩と呼ばれ、見ているところからの光が当たる、最も物が良く見える部位です。カメラのフィルムではどの部分でもよく写りますが、網膜は黄斑部に視細胞が集中しているため黄斑(中心部分)では大変良い視力が得られますが、それ以外のところでは正常の目でも十分良い視力は得られません。つまり、黄斑が障害されると、それ以外に網膜に異常がなくても視力が著しく低下してしまうのです。

特に、加齢や喫煙、高血圧による老廃物の蓄積が原因で、黄斑部が障害される病気が加齢性黄斑変性症です。
中でも、新生血管(正常ではない新しく脆い血管)が発生し、新生血管が出血や浮腫を引き起こすことで黄斑部が障害されてしまうものを滲出型加齢性黄斑変性症といいます。加齢性黄斑変性症は食生活や喫煙の影響で、日本人の重篤な視力低下の原因の第4位まで増えてきています。

加齢性黄斑変性症の症状

  • 中心部の変視
  • 視力の低下
  • 中心部の暗点

黄斑が変化すると、ゆがんで見える、視野の中心が暗くなる・欠ける、視力が低下するなどの症状が出ます。
加齢性黄斑変性症は、糖尿病網膜症、緑内障とともに、失明を引き起こす病気として注意が必要です。

加齢性黄斑変性症の検査

加齢性黄斑変性症は、網膜の血管の病気です。そのため、血管の状態を検査する必要があります。これまでは、腕の血管から造影剤を注射し、眼底カメラなどで撮影する検査(蛍光眼底造影検査)で、血管の状態を検査していました。しかし、この蛍光眼底造影検査には15分~30分程の時間がかかる上に、造影剤が体に合わず、吐き気をもよおしたり、蕁麻疹が出たり、極稀にですがショック状態に陥る危険性もあります。
そこで、最近、造影剤を使うことなく網膜の血管の様子を検査ができる検査機器が開発されました。OCT(光干渉断層計)アンギオグラフィーです。OCTアンギオグラフィーは、血管の中を流れる赤血球の動きから血管の様子(血管の狭まりや詰まり、新生血管の発生など)をとても鮮明に撮影することができる最新機器です。ひの眼科クリニックではこの最新機器を使って、わずか数秒で安全に、加齢性黄斑変性症の検査を行うことができます。

  • 従来の眼底写真例

    血管の状態が分かりづらく診断が難しい。

  • OCTアンギオグラフィーで得られる画像例

    血管がはっきりと浮かび上がり、
    正確な診断がしやすくなっている。

加齢性黄斑変性症の治療
(硝子体注射)

加齢性黄斑変性症に根治治療はありません。滲出型加齢性黄斑変性症の場合は新生血管による出血や浮腫によるダメージを抑える「抗VEGF薬」を「硝子体注射」することで、悪化を一時的に抑制する治療が有効です。
薬の効果に期限があるので、定期的に注射を続けなければいけません。新生血管を抑えるための「抗VEGF薬」は、最初は月に3回、その後は2~3か月に1回ずつ注射していきます。1~2年続けると注射の回数が減る場合もありますが、必ず眼科を定期受診し、悪化の程度を見定めましょう。いずれにしても、治療の目的は、新生血管の拡大を抑え退縮させ、病状をなるべく悪化させないことにより、なるべく視力を維持させる事です。症状を感じられたら、悪化する前にお早めにご相談ください。

加齢性黄斑変性症と似た症状の眼科疾患

  • 中心性網脈絡膜症
  • 脈絡膜新生血管
  • 黄斑円孔、黄斑上膜
  • 錐体ジストロフィー
  • 黄斑ジストロフィー

ものが見えにくくなった時は、
「年のせい」「これくらい平気」

安易に考えずに、
早めに眼科を受診しましょう。