リスクをきちんと説明し、ご不安を伺います。病院と同等の設備で経験豊富な医師が担当します。

硝子体手術とは?

硝子体のイメージ

硝子体とは水晶体と網膜の間にあるゼリー状の組織のこと。若い時は透明で、眼球の維持や眼内の栄養管理をしています。ところが、年齢を重ねると濁って飛蚊症を起こしたり、網膜面から剥がれて様々な症状の原因となることがあるのです。硝子体が網膜を引っ張ると、網膜裂孔、網膜剥離、黄斑上膜、黄斑円孔などを引き起こし、硝子体が濁ってくると硝子体出血や網膜の異常を引き起こします。これらで視力低下が起きた際に、硝子体を水や空気やガスやシリコンオイルに置き換えるのが硝子体手術です。

硝子体手術が有効な眼科疾患

硝子体手術の流れ

  1. 術前検査・手術についてご説明(3日前)

    お体の状態を伺い、目の検査を行う他、手術3日前より抗菌剤の点眼を開始します。(1日4回、ばい菌を減らして注射の際に菌が入りにくいようにします。)

  2. 手術(当日)

    手術1時間半前にご来院ください。準備の目薬を入れていきます。手術は局所麻酔で行われます。それでも痛みを感じるときには追加麻酔を行いますので、ご相談ください。最初に白内障手術をすることがあり、その後硝子体を切除し、様々な網膜の処理を病状に合わせて処置を行っていきます。最後に硝子体の代わりとなる空気やガスを入れていきます。
    その際、網膜を圧迫することがあり、場合によっては体位の制限(下向きや横向きなど)が必要です。抜糸しなくていい糸で縫合するので、2週間ほどコロコロ異物感がありますが、糸がほどけてとれてくると違和感がなくなってきます。
    手術時間は1時間程です。その日にご自宅へ帰ることができます。手術の日は眼帯をするので、お車でのご来院はお控えください。

  3. 術後しばらく

    手術後しばらくは定期的な診察が必要です。点眼薬、内服薬、体位の制限などのご注意は必ず守るようにお願いします。しばらく眼帯の着用が必要となるため、、術後一週間は洗顔、洗髪は禁止です。首から下のシャワーは5日目からOKです。痛みが強ければ、痛み止めの飲み薬を処方しますのでご相談ください。

硝子体手術後の注意点

手術後の見え方が安定するのに半年から一年ぐらいかかります。
病気が治っても物が歪んで見えるのが残ったり、小さく見えたり、暗く見えたりするのが残る場合があります。
網膜は取り換えることができないので、できる範囲で良くすることしかできないためです。症状によってはうつ向きや横向きが必要な場合がありますので、入院が必要な場合は適切な病院を紹介させていただきます。

よくある術後の自覚症状

手術後、黒い輪っかのようなものや水平線が見える
1~2週間で自然に減ってきます。
水の中を覗くようにゆらゆら動いて見えたり、細かい点が見えたりする
眼内に空気やガスが入っているためです。しだいに見えなくなります。
手術後、充血や出血、ゴロゴロした感じ、痛みがある
時間とともに改善していきます。

硝子体手術の費用

硝子体手術は、保険診療で行います。費用は病気によって変わってきます。 

種類 3割負担の方 2割負担の方 1割負担の方
硝子体茎顕微鏡下離断術
(網膜付着組織を含むもの)
約120,000円 約80,000円 約40,000円
硝子体茎顕微鏡下離断術
(その他)
約90,000円 約60,000円 約30,000円

硝子体手術のリスク

患者さんの状態や疾患にもよりますが、再手術の可能性があります。
出血の引きが悪い場合や、術後網膜剥離を起こした場合は再手術を行います。ごくまれに眼内炎や増殖性硝子体網膜症や駆逐性出血などの合併症を引き起こすことがあり、最悪失明する可能性があります。
そのため、ひの眼科クリニックでは、患者さんの病気や手術についてきちんとご説明し、手術を治療として選択するかどうか患者さんと十分に相談させていただきます。
医学的には手術が必要であっても、その手術を治療として選択するかどうかは一緒に決定していきましょう。

ものが見えにくくなった時は、
「年のせい」「これくらい平気」

安易に考えずに、
早めに眼科を受診しましょう。