角膜フリクテンと霰粒腫を繰り返すケース
角膜フリクテンと霰粒腫を繰り返すケース
角膜フリクテンという角膜内に結節性角膜浸潤と血管侵入、球結膜浸潤を起こす疾患があります。これはまぶたにあるマイボーム腺に細菌感染が起こり、それに対して遅延型アレルギー反応が発生しまぶたに接した角膜にも炎症が起こる疾患であると京都府立医大でお世話になった鈴木智先生が提唱した理論です。マイボーム腺に細菌感染が起こる疾患群なので、霰粒腫というマイボーム腺の細菌感染から始まる脂肪の貯留も時期をずらして起こる場合があります。そのため角膜フリクテンが重症な症例は霰粒腫も巨大になる傾向もある様に思います。マイボーム腺の細菌感染が根本原因なら抗生物質の内服が有効で、最初は抗生物質の中でも殺菌的なものを使い、その後静菌的な抗生物質を使うのが鈴木智先生流です。ただ繰り返すので抗生物質内服を長期間するのが保険で通りにくいのが玉に瑕です。この疾患群は完治がないので、症状増悪時は薬強めに、安定期はなるべく少なくで、根気よく付き合っていく必要があります。